正気を取り戻すスイッチの話。
正気を取り戻すスイッチ?
先週は日に日に弱っていく愛犬が
虹の橋を渡って行って
1番彼の到着を望んでいたであろう
妹の元へ旅立っていった。
自分はショックで前後2週間、
わからないもっとかも
仕事を休んで恋人と気分を紛らわせたり
紛らわせられなかったりしていた。
来週からは行かなきゃって
マラソンの練習も兼ねて
夢の国まで走って来た。
3キロまでは見たことのある道
4キロ進んだらなんとなく地図で見た道。
5キロ進む頃には橋が入り乱れて
川沿いに進めば着くとかいう問題ではなくなっていた。
4キロから左足にまめの子どもみたいなのが
痛み始めて
新しい靴だと右足が痛むから
痛くない方ずつを履けば
完璧な靴になるのではないかと思ったりもした。
6キロ目は階段と道路とを走ったので
歩いてることの方が多くなった気がする。
7キロちらと見えた夢の国っぽい建物が
見えなくなった。
8キロそれっぽい橋を渡らないと
その建物の方へはいけないことがわかる。
マラソンやウォーキングを始めて気づいたことは
目に見えて大きい建物は思うより遠くにあること。
9キロもう走れないかもと思いながら
左右のまめが”走って”ここまで来たことを
教えてくれる。
歩いて来たら誰も返事なんてしてくれなかっただろう。
10キロ、夢の国のお姉さんがスタスタやって来たので
ビクビクしながらバス停の道を尋ねた。
キャストのお姉さんの優しさと
自分の中の緊張に恥入りながら
まだ走る気力が残っていたんだみたいな、
トコトコと小走りで進んだ。
ベンチに座ってお茶を飲むと
仮装した人々が列を成していた。
前を走る小さなミニーが時折こけて
手を地につけていた。
とても和やかな風景だった、
自分はここには入らないけど。
夢の国の雰囲気だけ感じて
舞浜の駅へ向かった。
1時間に数回しかないバスが
ちょうど出てしまって、
この文を打ってる。
正気を取り戻すスイッチもとい
足裏のまめがあまり反応していない。
みずぶくれみたいになって
破れてしまったのだろうか。
もう少し綺麗に道を走りたいが
なかなか難しそうだ。
そんな日。