白い鼠の死骸の話。



夜は眠れなくて、朝早くて、

でも二度寝からの昼寝はすこぶるしてしまって、みたいな休日。


なんの返事もこなくて

クリスマスも明けたので事切れたのかと

思ったなんて言われたりした。


自身の電源は切れてたかもしれない。

充電はまめにしなくては。

よくねむり食べまた眠る。


何か考えるような折には動けと言われた。

頭ばかり使うようになるとろくなことはない、だから動けと言われた。



ふと目をやれば、白い塊と

その尻尾のようなものが揺れている。


あれは鼠の死体だろうか。

茶色い鼠の死骸は見たことがある。

写真まで撮ってしまった。


白い鼠の尻尾が風に揺れている。

歩いての出勤を始めたので

ゆらゆらと柵に近づく。


目が悪いので目を細めて

注視したがなんてことはない、

揺れる薄汚れたビニール袋だった。



家へ帰る。

ポストをガタガタやって中身を取り出す。

自分や家族宛にハガキが届いている。

妹からだ。


家族には宛てられても

自分の名前が入ってることは本当にない。


なんだろう、遺書かななんて

ろくでもないこと考えて

ひっくり返せばクリスマスカードだった。


なんとなくうまくやっているという旨の

便りだった。


ネズミも死なない、自分も死なない、

あの子も、妹も、誰も彼もそうやすやすと

死なない世界。


平和だ。


ラソンのために始めた徒歩出勤

一日目にしてはいろんなイベントのある日だった。


そんな日。