風吹く木々と鳥と卵の話。


暑くてジリジリうだる中でも

風吹いてるなら外の方が涼しく感じるこの頃。


ゴム手袋をはめるためにビニール手袋を外す間

そんな何分も時間もかけてないはずだけれど

風が吹いて木々が揺れてる。


ふと空に目をやると風にあおられながらも

木のてっぺんでしがみついてる鳥がいた。


あの木の中に巣があるのだろうか


今思えばそんな風で揺れる部分に

果たして大事な卵を預けるのだろうか、

疑問だ。


風にあおられながらも枝に

しがみついてる鳥をいつまでも

眺めてしまいそうになる。


そうもいかないのでしばらく眺めたら

奥の作業に引っ込んだ。


再び見に行ったらもういなかった。


後日裏口の清掃をしていると

うずらの卵のような柄の

小さな卵の殻を見つけた。


妹が昔友人と卵を拾ったと言って

ジップロックに入れて持って帰ってきたが

柔らかくて最後は潰れてしまったと

言っていた話を思い出した。


あれくらいの小さな卵の殻だ。

カケラしかなかったけれど

鳥がいて、小鳥がいて、卵があってみたいな

普段目にすることのないものに

心揺られたりなどした。


落ちているってことは誰かが

食べたりしたんだろうか。


いろんなものが繋がっていると思いながら

暑い中美味しく飲んだであろう

ビールの空き缶を回収したりした。


そんな日。