人生における余白の話


昔はよく電車で本を読んだ。

大学では片道1時間くらいの電車に揺られ

高校では図書館に籠り、自習室に籠り、

日がな本を読んだ。


だけれど、今はあんまり読んでいない。


電車に乗ってる時間も余白、

勉強してる間の小休憩も余白、

昔は余白を見つけてその時間を

利用するのに優れていたのかもしれない。


赤ちゃんの持ってる反射運動みたいな

ある時期を過ぎると失われるものなのだろうか。


帰宅後ヘロヘロベッドで猫を吸って

昼寝を始めてしまう。


なんだか悲しい。

だけれど


余白に読書しか詰めてこなかったあの頃より

今は昼寝を詰め、猫を可愛がり、編み物、

たまに絵を描き、友人に手紙を書く

余白に色んなものを詰めれるようになった。


最近の余白は妄想の中のゲームを形にする作業。

思えば小説とは呼べないプロットみたいな文章をパソコンでカタカタやるのが好きだった。


プロになれなくても、お金にならなくても

やってみれば良いのだ。

減るものでなし。


最近は気ばかり急いて

あんな事やったってしょうがないと

色んなことをふて寝してやり過ごしていた。


いろいろ元気を取り戻しつつあるのかもしれない。

休日出勤、それでも元気に頑張りたい。


Forever young

あの頃の君にあって、今の君に

無いものなんてないさ。

良い歌だ。


そんな日。


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ものを編む余白

うれしい話

日々過ごす中で多々嬉しいことはある。


誕生日からひと月ほど経って

誕生日プレゼントをもらった。


念願の圧力鍋だ。

とても嬉しい。


角煮を作るための鍋がいつからか

蓋なしになり、出来上がる角煮は

硬い塊肉ばかりになってしまっていた。


悲願の圧力鍋、本当に嬉しい。

ちょっとパサついたが今度からは

もっともっと柔らかい角煮に

なるんじゃないだろうか。


わくわくする。

水曜日はホットドッグの日。

週に一度は餃子の日。

月に一度は角煮の日。


11月にはともだちの赤ちゃんに

会えるかも知れない。


日々頑張っていきたい。


そんな日。


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遠くから眺める話。

はてなインターネット文学賞「記憶に残っている、あの日」


とても辛かったりなんかすること、

今になって見れば些細なことに見える。


本当にそうなのだろうか。

墓参りへ行った。


偶々すれ違う救急車。

救急車や消防車、けたたましい音のする車は苦手だ。


止まらない車、

救急車に乗っている病人や怪我人、

付き添いの人、


いろんなことが一気に溢れて

しんどくなってしまう。


病院に着いた頃には多分死んでいたんだと思う。

もしかしたら息を吹き返すかもと思っていた3日間。


最期になるかもしれないと思って病室で姉妹で撮った写真。


前期の科目、どうしたんだろうな。

出席日数ギリギリ足りなくて

だからといって教授らに相談したり

ゴネたり、そういった気力はなくて


気力がなかったけれども

何だったんだろうな、


何もかもにイライラしてやたらに

試験勉強だけはして


取れた単位がいくつかあった。


運ばれた病院で妹の死に関してセラピーを

受けないかと聞かれた。


そのセラピーを受けてたらねじくれて

おかしな形で日々を過ごさなくて済んだのだろうか。


あぁそれは悲しかったですねみたいな

わかったような風に答えられたら


黒い嵐みたいな気持ちが何もかも

押し流していきそうな気がした。


夜を眠れば良い夢も悪い夢も

あることないこと夢見そうな気がして

ずっと勉強していた。


日に10時間近く寝ていた人間が

寝ずに作業できるわけなく

昼休みの時間だけ死んだように寝た。

気絶してたのかもしれない。


授業中もそんな感じだった

気付いたら机に頭が沈んでいた。


卒業出来ないことはどこかの段階で知った。


適当にやれば良いのに

頑張ればがんばらなきゃと

無理して回した結果

すぐガタが来る頭と体。

元々4年では足りなかったと思う。



卒業パーティーの日。

皆誰もが不満を言いながらも

笑って卒業していく様が憎くて


自分だけが真剣で

けれど自分だけがここに残されるんだと思ったら

馬鹿みたいにワインばかり呷ってた。


赤白赤白……どちらが少なくても可哀想。


そうこうしてる間にお世話になった教授たちと記念写真を撮る段になった。


もうその頃にはだいぶ目が回ってた気がする。

立ってるのも疲れちゃって倒れ込んでしまった。


看護や救急、心得のある教授たちが

自分を囲んでてなんだかさすがだなって

わきを抱えられ部屋の隅に運ばれて

柔らかい椅子を重ねた即席ベッドに寝かされる。


気持ちも悪いしトイレにも行きたい。

心配だから外でついてるっていうゼミの子を

鍵の開いた多目的トイレの前に待たせてた。


いつもの鬼みたいな眠気に襲われて

トイレの床で寝始めたりしてしまった。

今思えば夢の国のトイレはとてもきれいだった。

少なくとも汚くはなかった。

トイレのタイルは冷たくて気持ちが良かった。


トイレで倒れてる自分に

悲鳴みたいな声を上げた友人

多分救急隊員の人が来たから中の様子を見に来たんだと思う。


連絡先とかいろいろ聞かれて

自宅には絶対かけないでくれって

叔母の携帯番号を伝えた。


携帯のアドレス帳を隊員の人が調べて

そこにかけてくれた。


妹が死んだ半年後に自分がもしかしたら

急性アルコール中毒で死ぬかもみたいな


仮にそうだとして家族が病室で

あの地獄みたいな空気の中

うなだれてる様にはなって欲しくない。


救急車でぼんやりしてる間

それだけ考えてた。

もう誰にも悲しんで欲しくない。


実際には誰もが悲しむような真似をしていたんだけども。


ともあれ救急車に乗ってからは

隊員にとってどうでも良いようなこと

ベラベラ喋っていた。

止まらなかった。


半ばうわ言みたいになりながらも

式の余興でやっていたクジかなんかの景品の大きいプーさんのぬいぐるみが欲しかった話を何度もしていた。


せめてあんな状態でも大学へ通い続けたことに対して目に見える形でわかるものが欲しかった。


まぁ冷静に考えれば

持ち前のくじ運のなさで当たるはずもないのだけども

会場を遠ざかる中で唯一の心残りだったんだと思う。


点滴を刺され、トイレも行くとまた倒れる(寝る)のでおむつを履かされ

硬いベッドに寝かされる。


どこかのタイミングで

病院には誰も着いて来るなって

言ったつもりだったが誰も聞きやしない。


知人らが医師と話してる声が聞こえたけれども

壁と向き合って聞かないに徹した。


ゼミのメンバーの飲み会でもよく飲み会を開いたけれど

あの人はそもそもそんなにお酒に強くないのに毎回飲み過ぎてしまうんだとか


そろそろ帰るねとささやくように言った

彼女らに寝たふりをきめ込んで


偏りに偏った恨み言を煮詰めに煮詰めて

醜悪なジャムを作ってた。


何も憎むな、たとえ学科とは別の就職先へ行っても他人の人生じゃないか。

お前の思うところではない。


心理やろうが哲学やろうが

カウンセラーと哲学者だけが道じゃない。


後日、たとえあんな恨み言を吐いても

ゼミのグループLINEに自分の居なくなった後に自分を抜いたメンバーと担当教授と満面の笑みの写真があげられたときはなんだか堪えた。


心配だなんだ言っても楽しそうで

日頃を点数稼ぎなんて思っていたことを

そんなはずあるわけないと

心苦く思っていたが

勝手に現実味を帯びた気がした。


実際には1人消えたとしても貴重な卒業パーティー記念写真の一つや二つや三つ四つ撮るんだと思う。

そういうことにしたい。




時々フォルダを整理していると妹

病室で撮った写真が出てくる。

もう死んでんだ、ばかやろうって病室の自分を突き飛ばしてやりたい。


あの頃に戻ってネイルを見たがった妹の手を

振り払ってしまう、そんなことするなって過去の自分を突き飛ばす。


あれから数日後に妹が変な時間に風呂に入ろうとする手を自分が引き止められたら。


これを書きながらミニチュアみたいな場面がいくつも浮かんだ。


眠るベッドの後ろを振り返れば

おばけみたいな自分を恨むような妹の顔が

すぐ後ろにあるような気がして振り返れない。


今すぐ寝るんだ。


願わくばトイレで悲鳴を上げたあの知人の夢だけは小さなものであっても良いので

叶ってほしい。


自分にとって記憶に残っているあの日は

妹の命日から飛ぶように過ぎた大学での日々。


そんな深夜。


はじめての味の話。


なんだかんだ四半世紀生きた。

2001年宇宙の旅のテーマが流れてしまう。


パーンパーンパーンパパーンで

検索して曲が出てくるからすごい。

疲れてると調子の良いパンの行列に

見える。そんな気もしてくる。



🍞🥖🥯🥐🥪



パンのお供は永遠に牛乳。

それもキンキンに冷えた牛乳。


コーヒー牛乳も良いし、

あらかじめ作っておいた

アイスミルクティーも良い。


自分は事あるごとに

よくよく牛乳を飲んだけれど

無脂肪の牛乳は先日初めて飲んだ。


割引になってるからって

何も考えず牛乳パックを手に取ったせいだ。


低カロリー低脂肪、

いろんな言葉が並んでいた。

でもなんだかちがった。


いろんなものがこてこてと

書いてあったけれど


自分が求めているものは

低めのカロリーでも消えた脂肪でも

無かったようだ。


いつもの牛乳が一番美味しい。

二十何年もうじき三十年、

びっくりはしたけれど

未だ食べた事ない味と出会うと楽しい。


そんな日。


茄子に任せよの話。


ナスは美味しい。


昔はあまり好きじゃなかったけれど

今は夏になるとカレーに入れたり

麻婆ナスにしたりいろいろ食べる。


ポン酢で食べても美味しいし

かつお節で食べても美味しい。


煮ても焼いても蒸しても食べられる。


ナスに任せて、なすに任せよ。



交差点でぼんやりしてたら

〇〇じゃない⁇良く見るよって

中学時代の友人に声をかけられた。


前にも後ろにも椅子のついた自転車。

もしかしてムスコ氏かムスメちゃんが

いるのかと思ってつい覗き込んでしまった。


保育園に送った後だったみたいで

その特等席は空っぽだった。


今はそんなにドキドキしてないけど

そんな保育園に行く子が

同級生にいるんだと思ったら

やたらにドキドキした。


その日はトイレの床掃除の

黒ずみについて考えてしまった。


同世代の人が子供を愛しんでいる間

自分は職場のトイレの黒ずみを

薄くするためにハイターを撒きまくってる。


でもそれで良いじゃん。

諦観みたいな気もするけど。


トイレの黒ずみが落ちたら

入る人はそんなにトイレに

注目してくれてないかもだけど

少しゆったりできたりしないかな。


虫とかいたら自分もトイレから

一刻も早く出たくなるし。


いろいろ焦ったりするけど

淡々とこなそう。

あとは全部ナスに任せちゃおう。


そんな日。



雨雨雨の話。


今週は梅雨なので雨しか降らない日が続いている。

これからもしばらくは雨が降りそうだ。


雨が降ると靴や靴下が濡れるとか、

自転車に乗りながら傘がさせないので

難儀することとか


色々モヤモヤしてくる。


色んなこと布団虫になりながら

眺めている時はこんなに雨は嫌だとか


この時期はこんなに蒸し暑いとか

まじまじ考えてなかったな。


ひきこもってたら雨天も季節も関係ないし。

人に会えないのは寂しかったかもしれないけども


ひきこもって何してるわけでもなく

進みもしない自分を誰かに見せることは

寂しいを勝る恥って感じ。


会えば違うのかな

自分が勝手に、本当に勝手に

嫌な思いを自分にしてるだけなんだけども


今思えばひきこもってなくても

あまり大差ないような。


みんなそれぞれに進んでいる。

キャリアアップしていったり

結婚して子供ができたり


自分だけが同じところをぐるぐるして

進みもしないし、


疲れてしまったってへたりこんでる気持ち。

自分で立てよって自分で自分を見下ろしてる。


就活に成功した自分、

同い年代の人らと同じように

子供の手を引いてる自分、


何もかも想像つかない。

勝手に惨めになってるだけなんだ。


自分は人と比べることなく自分じゃんて

言えたら良いけど、


年を経て本当にひとりになった時に

こんなキリギリスみたいな自分を

誰が助けてくれる。


こんな気分になるのは雨が続いてるせいだ。

飴のひとつでも降らしてくれたら良いのに


でもそんなことされたらちりとりが

飴のくずでいっぱいになってしまうな。


それはそれで困る。

こんなことならやっぱり出かけようよ!

って言えば良かったな。


そんな日。

探し物の話。


昔読んだ小説のタイトルが思い出せなくて参った。


ただ文明の力様のおかげを持ってして

ホニャホニャホニャ〜とした

イメージなのに見つかってしまったのだ。


天晴れ。


見つかった経緯としては

そもそも出版社が分からなくてまず困った。


そもそもラノベを自分からは読まないので

あの会社で出しているものだから


どこの出版社のものだ〜ということが

いまいちわかっていなかった。


なんかこう〜昔その本の続きが気になって

ブックオフラノベコーナーを

漁りまくってた時のことを思い出しながら

ラノベの背表紙で検索をかける。


なんか青いマークだったような〜と言う朧げな記憶からメーカーがわかった。


次になんか主人公が死にかけて

サイボーグになったような〜


というまたまたぼんやりとした記憶から

出版社+サイボーグで検索をかけて


画像を探していたら見つかったのである!

すごい!ほんとすごい!


自分の映像記憶も捨てたものではないなと

いたく感動してしまった。


ただタイトルに関しては

正しいタイトルを見たところで

到底正解に辿り着けるものではなかった。


あまり名前を覚えるのが得意ではないが

数回見ただけのスイーツの名前が


弾けるように思いだされたので

食に関しては貪欲だなと思った。


自分も一回くらいマリトッツォ

食べてみたいなぁ。


そんな日。