手緩い地獄の隙間からの話。


時々自分が重力や何かに負けて

倒れ込んだり塞ぎ込んだりして


立ち上がれなんかしないけども

そこにはどぶ水ならある、

それをなんとか飲んで死を

やり過ごしてるみたいな

そんな日々を思い出すことがある。


試験で点が取れるかは別として

勉強は好きだった。

受験組は死に物狂いだったような気がするけれど

趣味は勉学みたいな、学ぶことが好きだった。


そうやって死に物狂いなメンバーを

冷ややかにみていたから

大学では楽しいだけでは進まなくなったんだろうな。


なんだか今までの勉強が全てままごとみたいに感じた。

でもおままごとなのが良かったのかもしれない。


それでもやっぱりあの時期に、寝る間も惜しんで勉強するのは……人を憎んでまで勉強をするのは、好き好きなんだろうな。


この試験で満点取って当たり前、一つのミスですら許されないみたいな

ストイックさが彼女にはあったけれども

彼女の母親もどうしてそんな井の中の蛙だったんだろうな。


公立の、上も下もどこへ行くのかも

バラバラな子らの頂点に立ったところで

そこは天井ではないし


彼女は楽しかったのだろうか。

時々考えるな。


地獄の隙間から、

暗い中でひと筋の光みたいな

それが死、みたいなことを

昔大学の先生が言っていた。


自殺に至る道程、そんな光を掴む人が

ひとりでも減ることを祈りながら

自分は30には事切れようとしてる。


良くも悪くもそんなことも馬鹿馬鹿しくなってきたことがよかった。


馬鹿みたいにお金使って後悔やら

満足やらがないまぜになっているけども

死んだように日がなベッドから流れる雲だけ見て過ごす日々よりはマシだろう。


いつか遠くから日々を振り返った時に、

あれは手緩い地獄だったと思える人が増えたら良い。


手緩い地獄の隙間から希望を手繰って

なんとか生きる。それで良い。


そんな日。