高い熱が出るような日にはの話。


自分はあまり高熱を出すことは少ない

体力はあまりないので体の方が

疲労する方が早い気がする。


ぼんやりした頭で色々思い出したりした。

お気に入りだけど歩きにくいブーツで

階段で腰から落ちて妹と歩いている時に

前から来たおじさんに心配されたりした、


妹は笑ってた。


同じように末妹が階段で背中から落ちて

Tシャツをめくった時に

痛そうな擦り傷と一緒に

Tシャツの方にも蛇腹の薄皮がくっついたりしていた


そんな時でも妹は笑ってた。


でも妹が階段から落ちるところだけは

みたことがない。


覚えてないだけかな、

そんなに器用にいろんな道を歩いていたのに

どうして死んじゃったんだろうな。


最近は夢にも出ない。

いつまでも思い出に浸かっていては

いけないということだろうか。


蛇腹の薄皮で笑っていた時は

まだ妹はいたんだろうか。

母さんと自分が笑ってただけかな。


自分の仕事がうまくいかなくて

絵だのなんだの共通の話題もなくなって

それでも


末妹の方はどんどん先へ行ってしまうし

張り合いを求めていることもないだろうが

仲の良かった頃を思い出すと身がジクジク傷んだりした。


自分がいなくなっても悲しまないで欲しい。

逆説なのかな、そうあって欲しいのかな。

でも確認する術はその時にはない。


私の葬式には誰が来るのかな。

家族葬だった妹の式は友人は誰も呼ばなかった。

誰が来ても不快な気がした。


寒くて震えて熱が出ているのに

硬いベッドで横になっているから

こんな不届なことを思うんだ。


そんな日。